吉田屋が目指すラーメン

こんな想いでラーメンを作っています。

高山ラーメンの原点を目指せ

吉田屋が目指すラーメンは“高山ラーメンの原点”です。高山ラーメンの特長は、しょうゆベースのスープに細いちぢれ麺、具材には飛騨ネギ、メンマ、チャーシューを乗せた昔ながらの“中華そば”。地元では、“ラーメン”よりも“中華そば”と呼ぶ方が一般的です。
その起源は戦後の屋台「まさご」が始めだと言われ、その後同様に“中華そば”を売る人が増え現代のようになりました。私の義父もその一人です。私が知るのはその義父の他界後、義母が引き継いだ味です。その味は正に昭和の味、高山ラーメンの原点です。

これは東京ラーメンだ! いえ、高山ラーメンです

おかげさまで、都市部で開催されるデパートの物産展でも吉田屋のラーメンは人気です。「とても懐かしい味だ」「戦後食べたラーメンの味だ」とおっしゃる方も多く、なかには「これは東京ラーメンだ!」とおっしゃる方も。いえ、これは高山ラーメンです。
ですが、戦後のラーメンはどこもこのようなスタイルだったかもしれません。限られた食材と調理環境で作れるラーメン、豊かな現代の環境と比べれば決して恵まれてはいなかったと思います。高山にはそのスタイルが生き続けているのかもしれません。

美味しいラーメンをつくろう!

義母がつくってくれたラーメンの味がずっと忘れられません。とても美味しくて食べ飽きない。その味を再現したくて作り出したのが吉田屋のラーメンです。
ですが、私が目指すラーメンもあります。単に再現するのではなく、現代人の味覚や好み、食に関する関心などの要素を取り入れ”吉田屋の高山ラーメン”を作っています。

特別な物を使わない麺づくり

吉田屋の高山ラーメンの麺は特別な物を一切使用していません。お客様に安全で、安心して食べていただける美味しいラーメンを作るため、特別な物は一切使わないというのがポリシーです。
なぜ特別な物を使うのでしょうか、それは他との違いを出すためでしょうか。

多くのご当地ラーメンは戦後の混乱期、物資に乏しく国民が飢えにあえいでいたころ、その土地土地で比較的手に入り易い材料で作った、麺と汁で「腹いっぱいになる食べ物」として発祥しました。

※あくまでも贅沢な代物ではありません。

「ご当地」と言うように、そんなラーメンを食べれば、その地方の食文化やその地方の特産物が思い起こされる事でしょう。

勿論、いまの時代に食べても美味しいにこしたことはありませんが、その前にご当地ラーメンの土地柄や発祥時の時代背景に思いをはせるべきでしょう。

言葉を言いかえれば「昔懐かしい」、「昔はこうだったんだろう」的なラーメンです。

贅沢で潤沢な材料を特殊的?な手法で作っているいわば「創作ラーメン」と比べる事はもちろん出来ません。ジャンルが違うのです。

言わば「高山らーめん」と「高山で作ったラーメン」の違いでしょうか。

 

懐かしい昭和の味

本来、高山ラーメンに味噌味も塩味もトンコツもありません、醤油だけです。しかし多様なメニューを求められる時代になりました。吉田屋の店頭では、醤油味を高山ラーメンと呼び、味噌ラーメンや塩ラーメンもメニューに用意しています。ところが面白いことに、醤油味の高山ラーメンが一番人気です。
どこか懐かしい昭和の味の高山ラーメンを、ごゆっくりお楽しみください。